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企業ナウ(足立の産業)

2013/09/01号 | 田中科学機器製作(株)

石油試験器の徹底テストで輸出伸ばす

 同社(下平克彦社長)は、今秋創業112年を迎える老舗企業です。1901年(明治34年)に、創業者の田中杢次郎(もくじろう)氏が日本橋に田中合名会社を始めたのがスタート。ガラス器具、顕微鏡、レントゲン装置などヨーロッパの理科学機器を輸入販売するとともに、その国産化を図ったのが始まりでした。当時の製品カタログは、わが国の理化学器械総合カタログの第1号で、また国産第1号の量産顕微鏡は後の大正天皇に献上されました。
 同社は、昭和20年(1945年)に本社が全焼、終戦とともに社業は一時途絶えましたが、その後石油産業の発展に合わせて最新の石油試験器を開発、これを主力製品に押し上げていったのです。
 石油試験器とは、製油所で精製される石油類の品質をあらゆる角度からテストする機器のこと。テストする項目は、揮発性、低温性能、環境性能まで何と500種類以上。同社では、最も試験頻度が高い品質試験について1960年代から自動化を進めた結果、高い評価を受け、トップメーカーとなった国内はもとより、欧米、アジア、中近東など世界70カ国に輸出。
 この試験器の設計、開発を同社が行い、組み立ては外注化していますが、最終的な製品テストは同社で実施。製品の出荷に伴う梱包、輸送の時の振動への耐性が問題となっていましたが、この振動試験を江東区青海にある都立産業技術研究センターで実施。その際区の「産学連携補助金」を活用しました。同社の手塚裕取締役は「試験器の出荷はウチの“命”です。その振動検査への補助は、とても助かりました」と話してくれました。

会社名(店舗名) 田中科学機器製作(株)
住所 足立区綾瀬7‐10‐3
電話番号 03-3620-1711
WEBサイト http://www.tanaka-sci.com/

※情報はときめき紙面に掲載した当時のものです。あらかじめご了承ください。