企業ナウ(足立の産業)
1997/02/15号 | キシデン工業(株)
現場の声を、卓越した企画力に生かす
「思い込んだら100年目。これだと決めたら、試作につぐ試作で、必ず商品化するんです」と語るのは同社の岸本健治社長(63)。
同社は、電機店や工務店、サッシ業者、室内インテリア業者などが使う「アーク溶接機」と呼ばれる小型溶接機の専門メーカーだ。
岸本社長は、裸一貫のタタキ上げ。群馬県館林市に生まれ、中学卒業後、藤岡市の電機店に8年勤めて上京、北区赤羽の電機関係の会社で4年半修行した後、昭和37年(1962年)に岸本電機工業所を開業して独立。
この間、現場では小型ポータブル溶接機の需要が高く、10社近くのメーカーがひしめいていたが、作業に応じた微妙な電流調整ができない不備があった。そこに目をつけた同社長は鉄の芯が動くだけで電流を微調整するやり方を考案。これが大ヒット。
一昨年、コンプレッサーを使って、昇降機をエアー調整器付きリモコンで動かせる「リフトマン」を、昨年には同様のやり方で、ハシゴ上を昇降機がすばやく動く「リフトスライダー」を相次いで考案し発売。
「どちらも、営業の人間が取引業者や建築現場から?こういうのがあると便利だな?という声を聞いて来て、それを商品化したものです」と同社長。
「大手がやっていることはやらない」をモットーに、展示会にコマメに顔を出し、市場性をさぐりながら次の商品のヒントを捜す―このあたりに、企業伸張のキーポイントがあるとみた。資本金1千万円、社員23人。
会社名(店舗名) | キシデン工業(株) |
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住所 | 足立区入谷7-18-29 |
電話番号 | 03-3899-4281 |
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